点字名刺プロジェクト 



2020年2月1日 ~ 2月29日の作業日誌



点字名刺プロジェクト 2月26日に作業風景です



障害を持つと、どうしても引きこもりがちになってしまい、社会にかかわる機会そのものが失われがちになってしまいます。お仕事を通じてみんなの居場所を作っていき、「あなたはちゃんとここにいますよ」そんな存在を確かめ合う環境を作っていければと考えております。


私(ココロスキップの中の人=発達障害)が20代のころ、「自分が働いてしまうと社会に迷惑をかけてしまう」との思いから、働いていない時期(ニート)がありました。すると次第に貯金が減ってしまい、経済苦に陥ってしまいます。


「貯金がなくなったら死んでしまおう」


そんな中、散歩をしていると、10歳ぐらいの女の子が、持っていた「おはじき」を、私の目の前で落としてしまいまいます。一緒に拾ってあげると、その女の子が純粋な声で「ありがとうー」と言ってくれるではありませんか。


家路に変える道の中で、泣きながら帰ったのを覚えています。今までの人生の中で、「ありがとう」って言ってもらったことがあっただろうか?嬉しさのあまり、自然と涙がこぼれ落ちました。


その時、ふと思ったことが
「もっと生きたいなぁ。もし自分を生かしてくれたら、社会のお役に立つ人間になる。だから生かしてほしいです」


無宗教の自分が、自分の中に存在する神様にすがったのを覚えています。不思議なことに、そこからインターネットと出会い、人と直接会わなくても、何かを与えることができる事を学び取ることができました。


いつしか生活費以上のお金を稼ぐことができるようになり、「あの時の約束を果たす時が来た」と考え、妹(施設長の大政マミ)と一緒に立ち上げたのが点字名刺プロジェクトです。施設長自身も福祉に対して思う所があり、また親戚に障害を持っている者もおりますので、同じ理念のもと、2007年にスタートいたしました。


インターネットで偶然、点字名刺の存在を知り、「これは視覚障がい者の仕事になる」と確信し、始めたのがきっかけです。


結果、20代の時に稼ぎあげたお金は、この事業でなくなってしまいましたが、自分のできる力の中で、あの時の約束を果たし続けよう。今でもそう思っております。